希望を作るのがうまいと思う。あんなにイヤなおじさんたちでも、なんか憎めなくなってくるし。今回も仕掛け凝っている。まさかあの人が……!と思うような。先生たちが、子供たちのことをちゃんと心配しているのがわかって嬉しいです。そうそう、今回はギャグも満載。ロックハート先生、なんともいえません。ジンクスを裏切る2冊目。(08/03)
そろそろ慣れてくるので、仕掛けの作り方なんかは推測がつくのですよ。それでも楽しかったなあ。ハリーの成長が窺えて、目頭が熱くなります。罪を憎むということと人を憎むということは違うんだって、学んだことでしょう。魔法の力もだんだんついてきて、自分の力で、問題が解決できるようになってきてる。それでも、友達の力は偉大さを失わない。このバランスは得難いものだと思う。ああ、もう終わり。次の巻が待ち遠しい〜。(08/04)
本格、ではないと思う。謎を解くということが至上命題ではないし、謎そのものもあってないような話が半分。小説を書くという有栖川さんの姿勢に沿った作品ではないかと思うのだが。派手さはない。だから小品集。装幀がキレイだなあ。(08/07)
東野圭吾のお笑いとは性が合う。くどい部分もあるが、大いに笑える。しかし、お気に入りは、『つぐない』。これはとても切ない作品。ぜひバッハのメヌエットを聴きながら読みたい作品。京極との対談というおまけがついていて、それがツッコミどころをあますところなく伝えております。(08/16)
これまた切ない『あるジーサンに線香を』が好きです。『アルジャーノン』の本歌取りなのは言うまでもないですが、予想がついてもまた切ないです。ましてや、これは誰にでも訪れることだから。全体的に、一読後の笑いが過ぎると、切なくなるお話が多いです。それは作者の意図するところではないのかもしれないけれど。(08/17)
全員の名前に色が付いている。性格分けも強烈である。マンガを意識しているというよりは、戦隊モノを意識しているのではないか。こんなに社会的でない連中が警察組織にいられるんだったら、私でも警察に入れたかもと思ってしまいました。謎解きは、普通、かなあ。この語り口だと犯人はおのずとわかってしまうからな。ちょっと文章的に苦手なところもあります。(08/20)
バカミス。『超長編小説殺人事件』など最近の長編傾向を皮肉っていて自嘲気味に笑えます。それでいて超でぶい小説を出す京極と仲良く対談していたりするんだから侮れない。京極も笑うに違いないが。税金対策のバカさ加減も好きだ。先だって読んだ『毒』『怪』よりミステリ度・お笑い度が高いと思います。その分、せつなさは少ない。(08/21)
表題作のオチが予測つけられなかったのが悔しいです、マジで。天藤真の作品はちっとも古くないので、安心して読める。とても60年代の作品とは思えない。わりと、単純な『共謀者』あたりが好きです。(08/21)
なんで『三四郎』という題名なんだろう。『美禰子』ではないのだろうか。文学と云ふ事で見たときの印象とだいぶ違う。行動が予想がつかなくて、いかにも小悪魔な女っぷりである。『三四郎』の一人称なので、彼のよいところがわかりにくかった。優柔不断で曖昧に見える。わかりにくいから、美禰子がなおいっそう小悪魔に見えるのだった。(08/24)
ナポレオンに関するいちばんのミステリーは、私にとっては、彼は毒殺されたかもということでも遺体がすり替えられているかもということでもなく、いったいどのへんが英雄なのか、ということだ。負け戦は知っているのだが、勝って政治的などんな功績をあげたかはよくわかっていない。戦のほとんどは他国への侵略である。どのへんが英雄と讃えて憚らない手腕なのかを知りたいものだ。(08/27)
またなりたかった職業が1つ増えてしまった。芸やまとまりはない。淡々と鑑定した事件の記憶を並べているだけ。それが職人ぽい。ここに注目すべきという点を系統立てて書いているわけじゃないのだが、あまりにも事例が豊富なので、読んでいるうちに弟子入りしたような気分になってくる。だからといってそう簡単になれるものではないのが、また魅力的。しかし昔の事例が多いので、最新技術を知る役には立ちません。(08/28)
メインのトリックはおよそ予想がついたが、結末は予想がつかず。動機もちょろちょろしてたけど、はっきりとは考えなかったなあ。これは叙述の勝利だろう。叙述によって謎を増やしている。誘拐がテーマのわりに人がゴロゴロ死ぬのでびっくりしました。(08/30)
思った以上に学術的でした。流言とデマの定義から始めている。デマよりは、どちらかというと流言の方がおそろしい。悪意がないと思っている集団の方がおそろしい。全然関係ないことですが、著者近影、蟹江けーぞーと甲本くんを足したみたいな顔してる。(08/30)