外面如菩薩内心如夜叉


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2005/12/28(水)

お休みをもらった。エアコン修理が来るからだ。晴れて暖かい部屋を取り戻した。しかし、エアコンつけない部屋というのもお肌乾燥はしないし良かったんじゃないかなあとちょっと思う、矛盾した現代人でした。

昨日、今年最後の歯医者だった。帰りに「いっぱいもらったから」とイチゴ大福をくれた。……罠か?

タダ見権利で「ナショナル・トレジャー」を見た。なかなか面白く見られた。アメリカしかも東海岸のワシントン周辺のみという冒険映画ってのも特異だ。独立宣言書というアメリカの存在意義ともいえる国の宝を踏みつけにして見つけるお宝は全くナショナルではないというのは皮肉だな。ブラッカイマーなので皮肉の意図はないのだろうけど。ぼさぼさ頭の豆さんがかわいいな。高校生でも通りそうなダイアン・クルーガーも、お父さんもヲタクもかわいい。ニコラス・ケイジがいちばん損かもね。

本日読了:『女教皇ヨハンナ』上下 ドナ・W・クロス/阪田由美子訳 草思社 各1900円

驚異的なまで面白くない……! この題材でどうやったらこれほどまで面白くなくできるのか不思議だ。訳者が悪いのか元文が悪いのかは不明だが、まず文章が趣も何もない。ト書きを読まされているような感じだ。ストーリーも一本調子、人物像もこんなに面白みのない人物では教皇にはなれないと思う。9世紀っぽい雰囲気もイマイチ伝わってこない。時代がかったことを感じる点といえば教皇の選び方がコンクラーヴェではないところかな。装幀もカッコイイのに、残念だな。

本日読了:『人間は脳で食べている』伏木亨 ちくま新書 680円

合いの手みたいに入る会話文がとてもうざったい。読者のツッコミや授業中の学生の言葉を代弁するようなつもりだと思うのだが、本でそれをやられると自分の言っていることを混ぜっ返す巫山戯た著者になってしまう。ただ、書いてあること自体は実感を持って受け入れられることばかりだ。ゼリー飲料や機能食の、一般的には菓子に分類される食品を食事にし始めている現代人の傾向は、カロリーを効率的にとるという観点と快楽追求という観点からしたら、無理のない流れなのだという。おいしさに対する解明ではなく、おいしいと思うことはどういう意味かということの解明だ。大脳による情報処理を生存戦略に使用して勝ち登ってきた猿が人間であるということを思い出させる。自分の食生活を「まあしょうがないか」と思わせてしまう本です。たぶんそれは著者の意図とは真逆だが。

2005/12/25(日)

あまり寒い寒い言っているのも何なので、「皇帝ペンギン」を見た。マイナス40℃に較べれば天国だ。特典のメイキングには死体がごろごろ映っていました。南極の営巣地を歩くと、赤いモノがにじんでくるそうです。あの極寒の地では死体は腐らないので、彼らペンギンの足元には、ずっと昔からの死体が凍っているんだと。新書にはそう書いてありました。そう考えると、迷子のペンギンの映像がすごくさみしいです。死んでも独り。いつか雪が積もって積もって積もって海に落ちるまで独り。人間が一人で死ぬよりずっと哀しいように思うのは何故でしょうね。

抱卵嚢……mteraもときどき勝手に作られています。今もなんか腹と腿の間に顔出してるものが。

すでに何を書いていないのかわからなくなりつつある。

昨日読了:『模倣犯』全5巻 宮部みゆき 講談社文庫

やあ、これは宮部さんにしていはブレが少なくて面白かった。彼女はとても現代的な性格をしているわりに古典的な人物像を描く。さらにとてもいい人そうなのに類型的な悪意を描く。最初はいつも通り、そう思っていたのだけれど、進むとその古典的・類型的人物像が生きてくる。そういう性質だからこそのドラマなのだ。対比があからさますぎるとかちょっと思わなくもないけれど、許容範囲。最後まで「なぜタイトルが『模倣犯』なんだろう」と思いながら読んでいたけれど、これはなるほどこのタイトルしかないなあ。

被害者として死んでも加害者として死んでも家族は崩壊する。私たちの社会は、突然の死を受け入れられない形にできあがってしまっているようです。


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